SotaterceptはPAH治療のゲームチェンジャー:ZENITH
Sotatercept in Patients with Pulmonary Arterial Hypertension at High Risk for Death
背景
アクチビン受容体タイプIIA-Fc融合タンパクsotatercept(WINREVAIRTM)は、STELLAR試験でWHO機能分類II/IIIの肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者の運動能力を改善し、臨床的悪化までの時間を遅延させたが、死亡リスクの高いPAH患者に対する効果は。
フランスUniversite Paris-SaclayのHumbertら(ZENITH)は、WHO機能分類III/IVで、REVEAL(早期および長期PAH疾患管理評価レジストリ)Lite 2.0のリスクスコア9以上のPAH患者172名を対象に、2剤または3剤の最大耐用量に21日毎のsotatercept皮下投与追加の効果を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次エンドポイントは、最初の疾患状態の悪化/死亡までの時間で、全死因死亡・肺移植・24時間以上の入院の複合であった。
結論
試験は、事前規定中間解析の有効性結果に基づいて早期終結された。少なくとも1つの一次エンドポイントを達成した参加者は、sotatercept群の17.4%とプラセボ群の54.7%であった(HR 0.24)。全死因死亡は、8.1% vs. 15.1%、肺移植は1.2% vs. 7.0%、24時間以上の入院は9.3% vs. 50.0%であった。実薬群で最もよくみられた有害事象は鼻出血と毛細血管拡張症であった。
評価
同薬を承認に導いたSTELLARが、より安定した患者を対象としていたため行われたために行われた、重症患者への適応確認試験である。有効性のために早期終了したが、これはPAHに関する臨床試験では初めてのケースであるという。STELLAR結果報告では、同薬をゲームチェンジャーとする声があったが、その声価を固める結果である。