低血糖アラート付きCGMで、糖尿病患者のドライブを安全に
Continuous glucose monitoring with low-glucose alerts in insulin-treated drivers with diabetes: A randomized crossover study
背景
インスリン療法中の糖尿病(DM)患者における運転中の低血糖リスクは、低血糖アラート機能がついた持続血糖測定器(CGM)により軽減可能か。
日本Nagoya University(名古屋大学)のOnoueらは、インスリン療法中で、週3回以上車を運転する1型および2型DM患者30名を対象に、低血糖アラート機能付きCGMの有効性を評価した。参加者は、低血糖アラートをオンにする期間とオフにする期間を4週間ずつ過ごした。オンとオフの間に8週間のウォッシュアウト期間が設けられた。
一次アウトカムは、血糖値3.9 mmol/L未満の時間の割合(TBR)であった。
結論
一次アウトカムは、アラートのオン期間とオフ期間で差がなかったが、1型DM患者ではオン期間中でTBRが有意に減少した(−4.4%)。運転中の低血糖発生率は、オン期間で有意に低かった(19% vs. 33%)。参加者の63%が、低血糖アラートによって運転中の自信が増したと回答した。
評価
インスリン治療中ドライバーにおけるCGM使用を推奨した先行研究(https://www.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/dia.2021.0460)を受けて、アラート機能の有用性を示した。
使用デバイスはAbbott社のFree Style Libre2(R)で、皮膚センサーで血糖値を監視し、血糖値が閾値を下回ると音と振動でDM患者に警告を発する。この研究では、低血糖アラートが80 mg/dL(4.4 mmol/L)に設定されており、参加者は血糖値が低血糖範囲に低下する前に予防措置を講じることができたという。