CAG上無狭窄の狭心症患者はIMRを測定?
Coronary Functional Abnormalities in Patients With Angina and Nonobstructive Coronary Artery Disease
背景
CAG上の冠狭窄がなく攣縮性狭心症と診られる患者の予後は。日本Tohoku University(東北大学)のSudaらは、この問題を検討する前向介入研究を行った。冠非閉塞性狭心症患者187名(男113/女74、平均63.2歳)を対象とし、冠攣縮のアセチルコリン誘発試験とIMR測定を行って中央値893日間フォローアップした。
結論
68%に攣縮性狭心症(VSA)を同定し、フォローアップでは5.3%に心イベントが発生した。IMRと心イベント発生とに関連がみられ(HR:1.05)、IMRの最適カットオフ値は18.0であった。高IMR(≧18.0)でVSAのある患者は、他グループより予後が悪かった(HR:6.23)。IMRは、fasudil(Rhoキナーゼ阻害薬)の冠内投与により有意に改善した。
評価
VSA患者は微小循環障害があると予後が非常に悪くなる、という仮説を提示するとともに、25以上という現在のIMRカットオフ値に疑問を呈する結果である。IMR測定の適応決定が問題となった。