尿細管機能マーカーα1m・ウロモジュリンは、CKD患者の心血管リスク指標
Markers of kidney tubule function and risk of cardiovascular disease events and mortality in the SPRINT trial
背景
降圧治療に関するランドマーク試験SPRINTは、特に慢性腎臓病(CKD)患者部分集団(n=2,377)を持っている。同試験のGarimellaら(University of California)は、血中尿細管機能マーカー(α1m・β2m・ウロモジュリン)レベルと心血管イベント(心筋梗塞・急性冠症候群・脳卒中・心不全急性増悪・心血管疾患原因死亡)および全原因死亡との関連を検討する二次解析を行った。
結論
eGFR・アルブミン尿等の調整後、ベースラインα1m値が2倍の場合、心血管疾患イベント(HR:1.25)・死亡(HR:1.25)のリスクが高かったが、β2mではこのような関連は認められなかった。交絡因子の調整後、ウロモジュリンレベルが2倍の場合、心血管イベントリスクが低かったが(HR:0.79)、死亡リスクは変わらなかった。
評価
CKDにおける尿細管機能マーカーと心血管疾患リスクの関連は比較的未開拓な主題で、α1m値が高リスク指標、ウロモジュリン値が低リスク指標、というここでの報告は良い叩き台となる。