AOBPによる外来血圧測定は短縮できる
Clinical Impact of 3- Vs. 5-Minute Delay and 30- Vs. 60-Second Intervals on Unattended Automated Office Blood Pressure Measurements

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
American Journal of Hypertension
年月
March 2025
38
開始ページ
168

背景

現在の外来高血圧診療ガイドラインは、自動血圧計(AOBP)を使用して、患者以外に人のいない環境下での5分間の安静(待機)後に、60秒以上の間隔で複数回測定することを推奨しているが、待機時間や間隔を短縮できないのか。
アメリカHarvard Medical SchoolのJuraschekらは、同施設外来における高血圧(HTN: 収縮期血圧[SBP]≧140 mm Hgまたは拡張期血圧[DBP]≧90 mm Hgと定義)患者212名を対象に、3分または5分の待機時間と、30秒または60秒の連続測定の間隔(3回)を比較した(3分/30秒/30秒、3/60/60、5/30/30、5/60/60)。患者は、24時間血圧測定(ABPM)も行った。

結論

3/30/30のAOBPプロトコルは、5/60/60と統計的に同等であった。待機時間と連続測定間隔の設定に関係はなく、起床時ABPMに関して、SBPまたはDBPに有意差はなかった。
プロトコル短縮により時間を節約でき、精度を大幅に損なうことなく、臨床現場でのAOBPが改善される可能性がある。

評価

現在のガイドラインであるAOBPによる5/60/60プロトコルは、最低10分間かかり、一般的なHTN外来では長すぎる。ここでの結果は臨床的意義が大きく、ガイドライン変更的であり、規模を拡大した追試が行われることになる。なお、この研究で使われたのは、SpaceLabs 90227/90217A-1 ABPMおよびオムロン デジタル自動血圧計HEM-907XLである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)