PD-L1陽性進行肺がんでPD-1/VEGF二重特異性抗体Ivonescimabがペムブロリズマブを上回る:HARMONi-2試験
Ivonescimab versus pembrolizumab for PD-L1-positive non-small cell lung cancer (HARMONi-2): a randomised, double-blind, phase 3 study in China
背景
Ivonescimabは、PD-1とVEGFに結合する二重特異性抗体であり、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)治療後に進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたプラセボ対照試験(HARMONi-A)において、化学療法への上乗せ効果を示している。
中国Tongji University School of MedicineのXiongらは、同国55施設で、PD-L1陽性かつEGFR/ALKの変異が認められない局所進行・転移性NSCLC患者を、ivonescimabまたはペムブロリズマブによる治療へと割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相RCT、HARMONi-2を実施した(n=398)。
結論
無増悪生存期間(中央値)は、ivonescimab群で11.1ヵ月、ペムブロリズマブ群で5.8ヵ月であった(層別化ハザード比 0.51)。IvonescimabのPFSベネフィットは、事前に指定されたサブグループで幅広く認められた。
グレード3以上の治療関連有害事象は、ivonescimab群の29%、ペムブロリズマブ群の16%に発現し、グレード3以上の免疫関連有害事象はそれぞれ7%、8%に認められた。
評価
PD-L1陽性の進行NSCLC患者のファーストラインでペムブロリズマブを上回り、新たな治療選択肢となりうることを実証した。
中国国外でも、転移性扁平上皮NSCLCのファーストラインでivonescimab+化学療法とペムブロリズマブ+化学療法を比較する、国際第3相試験、HARMONi-3が進行中である(NCT05899608)。