PD-L1陽性進行肺がんでPD-1/VEGF二重特異性抗体Ivonescimabがペムブロリズマブを上回る:HARMONi-2試験
Ivonescimab versus pembrolizumab for PD-L1-positive non-small cell lung cancer (HARMONi-2): a randomised, double-blind, phase 3 study in China

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2025
405
開始ページ
839

背景

Ivonescimabは、PD-1とVEGFに結合する二重特異性抗体であり、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)治療後に進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたプラセボ対照試験(HARMONi-A)において、化学療法への上乗せ効果を示している。
中国Tongji University School of MedicineのXiongらは、同国55施設で、PD-L1陽性かつEGFR/ALKの変異が認められない局所進行・転移性NSCLC患者を、ivonescimabまたはペムブロリズマブによる治療へと割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相RCT、HARMONi-2を実施した(n=398)。

結論

無増悪生存期間(中央値)は、ivonescimab群で11.1ヵ月、ペムブロリズマブ群で5.8ヵ月であった(層別化ハザード比 0.51)。IvonescimabのPFSベネフィットは、事前に指定されたサブグループで幅広く認められた。
グレード3以上の治療関連有害事象は、ivonescimab群の29%、ペムブロリズマブ群の16%に発現し、グレード3以上の免疫関連有害事象はそれぞれ7%、8%に認められた。

評価

PD-L1陽性の進行NSCLC患者のファーストラインでペムブロリズマブを上回り、新たな治療選択肢となりうることを実証した。
中国国外でも、転移性扁平上皮NSCLCのファーストラインでivonescimab+化学療法とペムブロリズマブ+化学療法を比較する、国際第3相試験、HARMONi-3が進行中である(NCT05899608)。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)