局所進行頭頸部扁平上皮がんでの根治的治療後のアテゾリズマブ維持療法:IMvoke010試験
Atezolizumab in High-Risk Locally Advanced Squamous Cell Carcinoma of the Head and Neck: A Randomized Clinical Trial
背景
局所進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)では、外科療法・放射線治療・化学療法などを組み合わせた治療が行われるが、再発率は高く、5年生存率は5割程度である。
アメリカDana-Farber Cancer InstituteのHaddadらは、世界28ヵ国128施設でマルチモーダル治療を受けた局所進行SCCHN患者を、1年間のアテゾリズマブ(1,200 mg)またはプラセボによる維持療法へと割り付け、無イベント生存期間を比較する第3相RCT、IMvoke010試験を実施した(n=406)。
結論
無イベント生存期間(中央値)は、アテゾリズマブ群で59.5ヵ月、プラセボ群で52.7ヵ月と有意差はなかった(ハザード比 0.94)。
また、24ヵ月生存率はそれぞれ82.0%、79.2%と、こちらも有意差は認められなかった。
評価
再発・転移SCCHN患者ではニボルマブやペムブロリズマブが効果を示しているが、根治的治療後の高リスクSCCHN患者におけるアテゾリズマブ維持療法はアウトカムを改善しなかった。
このセッティングでは免疫チェックポイント阻害薬の活性は限られる可能性があり、重要なアンメットニーズが残されることになる。