フィネレノンのHFpEF・HFmrEFへの有益性を確認:FINEARTS-HF二次分析
Finerenone for Heart Failure and Risk Estimated by the PREDICT-HFpEF Model: A Secondary Analysis of FINEARTS-HF

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
JAMA Cardiology
年月
March 2025
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背景

FINEARTS-HF第3相RCT(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2407107)は、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノンの有効性を示した。
イギリスUniversity of GlasgowのMcDowellらは、駆出率保持心不全(HFpEF)・駆出率軽度低下心不全(HFmrEF)患者へのその効果を検討する同試験の二次分析を行い、HFpEFの予後予測モデルPREDICT-HFpEFによるベースラインリスクがフィネレノンのベネフィットを変更するかどうかを評価した。

結論

2年後の心血管(CV)死/入院・CV死・全死因死亡のC統計量は各0.71・0.68・0.69であった。HF増悪とCV死の複合のリスクは、リスク最低五分位群に比べて最高五分位群では約8〜10倍高かった。プラセボと比較したファインレノンの相対リスク減少は、ベースラインリスクの範囲全体で一貫していた。

評価

FINEARTS-HFにはいくつかの二次分析が発表されているが(https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/fullarticle/2826714)、これはHFpEF患者に対するMRAの有益性を初めて明らかにした、という点で画期的である。なお、FINEARTS-HF参加者のベースライン特性を他試験と比較した報告(https://doi.org/10.1002/ejhf.3266)では、69%がNYHAクラスIIで、ベースラインLVEFは、64%がLVEF≧50%であった。以前の大規模なHFmrEF/HFpEF試験と比較して、同試験参加者は6ヵ月以内にHF入院しており、症状と機能制限が重度で、併用薬にはSGLT2阻害薬とARNIの割合が高かった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)