待期的CABGは多動脈グラフトで?
Outcomes of Second Arterial Conduits in Patients Undergoing Multivessel Coronary Artery Bypass Graft Surgery
背景
非緊急CABGで多動脈グラフトを使う(Multiarterial CABG: maCABG)提唱があるが、未だ検証が少ない。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのChikweらは、退院臨床レジストリ登録CABG患者42,714名のデータを解析した。フォローアップ期間中央値は7.8年、評価項目は死亡・脳卒中・心筋梗塞・TVRである。
結論
maCABG採用率は14.0%であった。ベースライン因子調整後、maCABGは傾向スコアマッチペア単一動脈CABGより10年間死亡率が低く(15.1% vs. 17.3%)、心筋梗塞発症・TVRリスクが低かった(HR: 各0.81・0.81)。
評価
一部で強く提唱されている方針だが、テクニカルを含めたいくつかの理由でフォローアーが少ない。このレジストリ研究は拡大方向を支持するものだが、すでにこれを主題としたRCTであるROMA試験(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03217006)が進行している。