待期的CABGは多動脈グラフトで?
Outcomes of Second Arterial Conduits in Patients Undergoing Multivessel Coronary Artery Bypass Graft Surgery

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
November 2019
74
開始ページ
2238

背景

非緊急CABGで多動脈グラフトを使う(Multiarterial CABG: maCABG)提唱があるが、未だ検証が少ない。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのChikweらは、退院臨床レジストリ登録CABG患者42,714名のデータを解析した。フォローアップ期間中央値は7.8年、評価項目は死亡・脳卒中・心筋梗塞・TVRである。

結論

maCABG採用率は14.0%であった。ベースライン因子調整後、maCABGは傾向スコアマッチペア単一動脈CABGより10年間死亡率が低く(15.1% vs. 17.3%)、心筋梗塞発症・TVRリスクが低かった(HR: 各0.81・0.81)。

評価

一部で強く提唱されている方針だが、テクニカルを含めたいくつかの理由でフォローアーが少ない。このレジストリ研究は拡大方向を支持するものだが、すでにこれを主題としたRCTであるROMA試験(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03217006)が進行している。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)