500万人のビッグデータが示す「高血圧治療開始はサイアザイドで」
Comprehensive comparative effectiveness and safety of first-line antihypertensive drug classes: a systematic, multinational, large-scale analysis
背景
高血圧単剤治療の最有効薬は何か。University of CaliforniaのSuchardら(LEGEND-HTN)は、4,893,591名の高血圧患者の多国EHRデータベースに基づく後向コホート研究を行った。一次エンドポイントはAMI・心不全・脳卒中であり、6つの二次エンドポイント、46の安全性アウトカムを評価した。
結論
サイアザイド系利尿薬はACE阻害薬と比較し、一次エンドポイントリスクは低く(HRはAMIが0.84、心不全が0.83、脳卒中が0.83)、安全性アウトカムは良好であった。非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は、他の4カテゴリーの高血圧治療薬より有意に劣った。
評価
ビッグ・リアルワールドデータで、「ACEI・DHP系CCBよりサイアザイド」という明確な結論を示し、現行ガイドラインの「幅広いスタートライン」方針に疑問を呈した。結果、方法論ともに大きな議論が予測される。