標準リスクALLでのブリナツモマブ+化学療法で再発リスク大幅減:AALL1731試験
Blinatumomab in Standard-Risk B-Cell Acute Lymphoblastic Leukemia in Children
背景
ブリナツモマブはB細胞表面のCD19を標的とする二重特異性抗体で、成人および小児のB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)を対象とした複数の試験で有効性を示している。
カナダUniversity of TorontoのGuptaらは、北米・オセアニアの標準リスク(NCI基準)の新規診断B-ALL小児患者を、導入三剤療法後に再発リスクによって層別化し、平均以上に分類された患者を化学療法単独または化学療法+ブリナツモマブへと割り付け、無病生存率を比較する第3相RCT、AALL1731試験を実施した。
結論
最初の中間有効性解析の結果に基づき、試験群への割り付けは終了した。終了時点で1,440がランダム化を受けていた。
推定3年無病生存率は、ブリナツモマブ併用群で96.0%、化学療法単独群87.9%であった。再発リスク別では、平均再発リスク患者ではブリナツモマブ群で97.5%、化学療法単独群90.2%、高再発リスク患者では各群94.1%、84.8%であった。
グレード3以上のサイトカイン放出症候群、痙攣、敗血症は、ブリナツモマブの治療サイクル中には稀であったものの、致死的でない敗血症、カテーテル関連感染症の発生率は平均再発リスクのブリナツモマブ群でより多く発生した。
評価
CAR-T細胞療法と並び、ALL治療のゲームチェンジャーと目されているブリナツモマブにより、小児B-ALLの無病生存率は大きく改善した。新たな標準治療となりうる。