アメリカの障害者は喫煙率が高い
Tobacco and E-Product Use by US Adults With Disabilities
背景
障害者(individuals with disabilities: IWD)の喫煙状況に関する長期データは存在しない。
アメリカNational Institutes of Health(NIH)のParksらは、喫煙と健康に関する住民調査(PATH)の1期32,314名のデータを用い、7期までの傾向を分析した。
一次アウトカムは、過去30日間のタバコの使用(紙巻きタバコ・電子タバコ・葉巻・フィルター付き葉巻・シガリロ・パイプ・水ギセル・無煙製品)で、障害の種類(移動・セルフケア・自立生活・認知・聴覚・視覚)を合計して、0〜≧3の4段階の累積障害評価基準を作成した。
結論
非IWDの喫煙率が25.4%であったのに対し、IWDの喫煙率は、累積障害度1・2および3以上で、各40.2%・48.9%・51.8%であった。タバコ製品の種類に関係なく、累積障害度3以上の喫煙率が最も高かった。喫煙率が全人口で低下しているにもかかわらず、IWDの喫煙率は不変か、増加していた。
他グループと比較して、累積障害度3以上の電子タバコ使用の増加は大きかった(4.6%)。
評価
ADHD患者(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29039714/)や、視覚・聴覚・運動IWD(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35753866)が非IWDより喫煙率が著しく高いことを示した以前の横断研究を展開し、IWD全般に関する大規模長期研究により、障害と喫煙の関連を確定し、また、累積障害が、米国における禁煙への大きな障壁であることも示した。高度IWDの喫煙が罹病率や死亡率にどのように影響するかが、次の問題である。