がん患者への禁煙介入は診断直後の方がベネフィット大
Survival Outcomes of an Early Intervention Smoking Cessation Treatment After a Cancer Diagnosis
背景
たばこの喫煙は重大ながん発症リスクであるが、がんの診断後であっても禁煙を行うことで、喫煙を継続した患者と比べて意味のある生存期間延長が得られることがわかっている。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのCinciripiniらは、同施設で実施されている、認知行動的カウンセリング、動機づけ面接、薬物療法などからなる禁煙介入プログラムを受けた、現在喫煙者のがん患者において、介入開始後3ヵ月・6ヵ月・9ヵ月の喫煙・生存アウトカムを評価した。
結論
メインの分析に含まれた患者4,526名のうち、49.8%は女性で、年齢の中央値は55歳であった。
3ヵ月時点で禁煙した患者では、喫煙ステータス不明な患者と比して生存率が向上し(調整ハザード比 0.75)、6ヵ月時点(0.79)、9ヵ月時点(0.85)でも同様の結果となった。
生存アウトカムの改善は、がんの診断から6ヵ月以内に禁煙プログラムを受けた患者で最も大きく、生存期間の75パーセンタイル値は、喫煙継続患者で2.1年、禁煙患者では3.9年であった。6ヵ月〜5年での参加でも生存率の改善が認められた。
評価
エビデンスベースの禁煙介入はがん患者の生存期間延長と関連しており、診断から短期間で介入が開始された患者、介入開始から短期間で禁煙に至った患者では、特に大きなベネフィットがみられた。
早期禁煙への動機づけを高める、印象的なデータである。