切除不能肝細胞がんでTACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブが新たな選択肢に:LEAP-012試験
Transarterial chemoembolisation combined with lenvatinib plus pembrolizumab versus dual placebo for unresectable, non-metastatic hepatocellular carcinoma (LEAP-012): a multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study
背景
治癒的切除が不可能な局所肝細胞がんにおいて、標準治療である肝動脈化学塞栓療法(TACE)に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を併用することで臨床的ベネフィットを改善できるか。
日本Kindai University Faculty of MedicineのKudoらは、世界33の国・地域、137の施設から切除不能な非転移性肝細胞がん患者を登録し、TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ、またはTACE+プラセボのいずれかを割り付け、無増悪生存期間・全生存期間を比較する第3相RCT、LEAP-012試験を実施した(n=480)。
結論
無増悪生存期間(中央値)はレンバチニブ+ペムブロリズマブ群で14.6ヵ月、プラセボ群で10.0ヵ月と、併用療法により有意に延長した(ハザード比 0.66)。
24ヵ月生存率はレンバチニブ+ペムブロリズマブ群で75%、プラセボ群で69%であった(0.80, 非有意)。
グレード3以上の治療関連有害事象は、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群の71%、プラセボ群の32%に発現し、死亡に至った治療関連有害事象は各群4件、1件であった。
評価
デュルバルマブ・ベバシズマブの併用を検証したEMERALD-1試験の結果と並んで(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)02551-0)、Lancet誌に報告された。
このLEAP-012試験もレンバチニブ+ペンブロリズマブによるPFS延長を示した。データがmatureでないものの、OSについても有望であり、OSベネフィットが認められれば新たな標準治療となる。