腎疝痛の再発予防にピロキシカム・アセトアミノフェンは無益
Piroxicam and paracetamol in the prevention of early recurrent pain and emergency department readmission after renal colic: Randomized placebo-controlled trial
背景
尿路結石が引き起こす腎疝痛は、耐えがたい激痛を伴い、しばしば救急外来の受診へとつながる。外来で管理されることが一般的だが、疼痛の持続や再発がしばしばみられる。
チュニジアMonastir UniversityのJaballahらは、同国4ヵ所の救急外来で腎疝痛の診断を受けた成人患者を、帰宅後5日間のピロキシカム(非ステロイド性抗炎症薬)、アセトアミノフェン、プラセボの投与へと割り付け、7日以内の腎疝痛再発・救急再受診について比較する単盲検ランダム化試験を実施した(n=1,383)。
結論
7日以内の再発率はピロキシカム群で29%、アセトアミノフェン群で30.3%、プラセボ群で30.8%であり、有意な群間差は認められなかった。再発のほとんどは退院後2日以内に発生した(いずれの群でも85%前後)。
救急再受診率はピロキシカム群で20.8%、アセトアミノフェン群で23.8%、プラセボ群で22.9%であった。
ピロキシカム群では11名、他の群ではそれぞれ1名で副作用が報告された。重篤な副作用は報告されなかった。
評価
このテーマとしては大規模な試験でピロキシカム、アセトアミノフェンを直接比較したが、いずれもプラセボを上回るベネフィットは認められなかった。
第一選択と考えられるNSAIDに効果が認められなかったことは意外であり、ピロキシカム以外ではどうか、腎疝痛の原因によって効果が変わるかなど、さらなる調査が必要だろう。