BP-SESは、1年時のTLFにおいて第2世代DESに非劣性:TARGET-IV NA
Randomized Comparison of Novel Low-Dose Sirolimus-Eluting Biodegradable Polymer Stent vs Second-Generation DES: TARGET-IV NA Trial
背景
薬剤溶出性ステント(DES)への生分解性ポリマーの応用が長く探索されている。
アメリカBeth Israel Deaconess Medical CenterのYehら(TARGET-IV NA)は、北アメリカとヨーロッパで慢性冠症候群(CCS)または急性冠症候群(ACS)に対し、PCIを受ける患者1,720名を対象に、Firehawk生分解性ポリマー シロリムス溶出ステント(BP-SES)と現在汎用されている第2世代DESを比較するRCTを行った。
一次アウトカムは、12ヵ月時の標的病変不全(TLF)であった。
結論
BP-SESの第2世代DESへの一次エンドポイント非劣性を認めた。心臓死・心筋梗塞・ステント血栓症の発生率は両群間で同程度であった。
血管造影サブスタディ(104名、128病変)では、13ヵ月時のステント内後期内腔損失がBP-SESで平均0.149 mm、対照群で0.327 mmであった(最小二乗平均差: −0.178)。OCTサブスタディでは、平均新生内膜肥厚に群間差はなかった。
評価
中国Firehawk(R)の製品で、ステント表面の凹反腔側溝が完全に生分解性シロリムス含有ポリマーでコーティングされており、DESの約3分の1の薬剤量を送達する、という。報告結果は有望だが、先行する他の生分解性ポリマーが長期でDESへの明らかな優越性を示せていない現状では、少なくとも超遅発性ステント血栓症(VLST)とより長期のTLFのデータが示されるまでは、汎用には至らないとみられる。