非LVO脳卒中にEVTは無益:DISTAL試験
Endovascular Treatment for Stroke Due to Occlusion of Medium or Distal Vessels
背景
大血管閉塞(LVO)を伴う脳卒中の血管内治療(EVT)の安全性と有効性が示されているが、非LVO(中位または遠位血管閉塞)に対するEVTの有効性は不明である。
スイスUniversity Hospital BaselのPsychogiosら(DISTAL)は、単独非LVO脳卒中患者543名(年齢中央値77歳)を、画像診断基準を満たした後、健康であると最後に診断されてから24時間以内に、EVT+最良内科治療(BMT)またはBMTのみに割りつけ、これを検証するRCTを行った。
一次エンドポイントは、90日の時点におけるmRS評価である。
結論
一次エンドポイントに有意差はなかった。
全死因死亡率にも症候性頭蓋内出血発生率にも差はなかった。
評価
現在のEVTの焦点の一つで、NEJMは同テーマのESCAPE-MeVO(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2411668)結果を併載している。DISCOUNT(https://clinicaltrials.gov/study/NCT05030142)も含む結果はすべて否定的で、3試験の統合メタアナリシスで確認されれば、この方向はほぼ閉ざされることになる。新ツールの開発などが提案されている、という。