糖尿病治療薬の効果は年齢・性別で違うか:系統レビューとメタアナリシス
Age and Sex Differences in Efficacy of Treatments for Type 2 Diabetes: A Network Meta-Analysis

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
February 2025
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開始ページ
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背景

2型糖尿病(T2D)患者に対するSGLT2阻害薬(SGLT2i)・GLP-1受容体作動薬(GLP1-RA)・DPP-4阻害薬(DPP4i)の有効性は、年齢や性別によって異なるか。
スコットランドUniversity of GlasgowのHanlonらは、601件のRCTを対象とする系統レビュー・ネットワークメタアナリシスを行った。
一次アウトカムは、HbA1cおよび MACEであった。

結論

103試験の参加者レベルデータを分析した。
SGLT2iとGLP1aはMACEのリスクが低かった。年齢 ・ 治療相互作用の分析により、SGLT2iはHbA1cの低下が小さいにもかかわらず、高齢者の方が若年者よりも心保護効果が高かったが(HR 0.76)、GLP1aは若年者の方が心保護効果が高いことが示唆された(1.47)。

評価

T2D治療薬の有効性の異質性を評価する研究は多いが、RCTの参加者レベルデータを統合したものとしては、これが最大であろう。ガイドラインは現在、年齢・性別で異なるT2D治療法を推奨していないが、このメタアナリシスは、高齢者ではSGLT2iが、またより若年者ではGLP1-RAが(特に若年女性で)より心保護的であろう、と結論している。興味深い仮説であり、確認が必要となった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)