CVD二次予防、低・中所得国では機会と実装にギャップ:PURE研究
Secondary Prevention Medications in 17 Countries Grouped by Income Level (PURE): A Prospective Cohort Study
背景
心血管疾患(CVD)患者における二次予防薬使用の世界的な経時変化は。
カナダMcMaster UniversityのJosephら(PURE)は、低〜高所得国17ヵ国を対象に、追跡期間平均12年の前向コホート研究を行った。冠動脈疾患患者では、抗血小板薬・スタチン・レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬・β遮断薬、脳卒中患者では、抗血小板薬・スタチン・RAS阻害薬、その他の血圧降下薬にフォーカスした。薬剤はベースライン時と、その後の4回の追跡訪問時に収集された。CVD患者は、ベースライン7,409名、2回目8,792名、3回目9,236名、4回目11,082名、最終訪問時に11,677名が含まれた。
結論
期間中、CVD二次予防のための1つ以上の薬剤の使用は、ベースライン41.3%で、43.1%でピークに達し、その後、最終訪問までに31.3%に減少した。高所得国では88.8%から77.3%に減少し、高中所得国では55.0%から61.1%に増加した。低中所得国では、ベースライン29.5%で、31.7%でピークに達し、その後、最終訪問までに13.4%に減少した。低所得国では、ベースライン20.8%で、47.3%でピークに達し、その後、最終訪問までに27.5%に減少した。
評価
20年にわたって続けられ、定評ある世界的疫学研究PUREの最新結果である。4回の直接訪問による詳細調査で、どの所得レベル国グループにおいても、CVDの二次予防のための薬剤の使用は不十分で、改善がみられない、という衝撃的な結果を報告した。特に低・中所得グループでは、必要な二次予防薬を投与されている患者は半数未満であった。JACC Editorialは、すでに二次予防薬のコストは低下しており、CVD負担の軽減に足りないのは医学的チャンスではなく、政治的な実装意志である、としている。

