切除不能大腸がんでの初回ニボルマブ・イピリムマブ併用療法はニボルマブ単独をも上回る:CheckMate 8HW試験
Nivolumab plus ipilimumab versus nivolumab in microsatellite instability-high metastatic colorectal cancer (CheckMate 8HW): a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
CheckMate 8HW試験は、世界23ヵ国、128施設のMSI-H(マイクロサテライト不安定性が高い)またはdMMR(ミスマッチ修復異常)の切除不能・遠隔転移大腸がん患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ単独、化学療法±標的治療へと2:2:1の割合で割り付け、無増悪生存期間(PFS)を評価する第3相RCTであり、NEJM誌に発表されたニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法群のPFS結果では、ニボルマブ+イピリムマブ群の優位が示された(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2402141)。
フランスSorbonne UniversiteのAndreらは、同試験におけるニボルマブ+イピリムマブ群とニボルマブ単独群のPFS比較の結果を発表した(n=707)。
結論
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、ニボルマブ単独療法と比較して、PFSの有意かつ臨床的意義のある改善を示した(ハザード比 0.62)。PFS期間の中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群では未到達、ニボルマブ群では39.3ヵ月であった。
治療関連有害事象はニボルマブ+イピリムマブ群の81%、ニボルマブ群の71%で、グレード3・4の治療関連有害事象はそれぞれ22%、14%で発現した。治療関連死はニボルマブ+イピリムマブ群で2例、ニボルマブ群で1例発生した。
評価
化学療法との比較に続いて、ニボルマブ単独療法との比較でも二剤併用のPFSベネフィットが証明された。
MSI-H/dMMR切除不能大腸がんにおける新たな標準治療となりうる。