PUREに示す、グローバルな心血管疾患・死亡への修飾可能リスク因子の効果
Modifiable risk factors, cardiovascular disease, and mortality in 155 722 individuals from 21 high-income, middle-income, and low-income countries (PURE): a prospective cohort study
背景
PUREは、カナダMcMaster Universityを中心とするグローバルな疫学研究で、すでに多くの重要な報告を行っている。同研究のYusufら(McMaster University)は、所得階層別分類した21ヶ国155,722名のデータに基づき、14の修飾可能リスクファクターと心血管疾患・死亡(一次アウトカム)との関係を検討した。
結論
心血管疾患・死亡の70%が、修飾可能リスクファクターと関連していた。代謝・高血圧要因が心血管疾患のPAFの各41.2%・ 22.3%を占めた。 行動・教育レベル要因の死亡へのPAFは各26.3%・12.5%であった。 大気汚染は心血管疾患PAFの13.9%であった(別解析法を使用)。MICsとLICsにおいては、居住地の大気汚染、貧しい食事、低レベルの教育、低握力が、HICsにおいてより心血管疾患・死亡に強く影響を与えていた。
評価
修飾可能リスクファクターを斉一に多様化して国家類型を重視した分析により、多くの重要な知見をもたらした。HICで心血管疾患が退潮して癌が主要問題になってきていることや、特にLICで教育レベルや大気汚染が生命リスクに重要であること等である。