持続血糖モニターデータがT1D患者の微小血管合併症を予測することを仮想RCTで示す
The Virtual DCCT: Adding Continuous Glucose Monitoring to a Landmark Clinical Trial for Prediction of Microvascular Complications
背景
DCCTは、平均6.5年間、1型糖尿病(T1D)患者1,441名を厳格血糖管理と通常治療に割付け、厳格管理が微小血管合併症を抑制することを証明したランドマーク試験であった。
アメリカUniversity of VirginiaのKovatchevらは、DCCTデータを処理する高度な機械学習技術を使用して、DCCT全参加者の試験期間中の仮想持続血糖モニター(CGM)トレースを作成した。DCCTで観察されたT1Dの微小血管合併症と仮想CGMメトリックの関連性を評価し、範囲内時間(TIR)を血糖管理の実行可能なマーカーとして確立した。
結論
14日間の仮想CGMデータから計算されたTIR(time in range)(70〜180 mg/DL)は、HbA1c値を使用する標準的アプローチと同等に、神経障害・網膜症・腎症を予測した。
評価
DCCTは、HbA1cをT1Dの合併症リスク評価のゴールドスタンダードとして確立したRCTだった。現在、CGMの使用が増加しており、DCCTデータとのギャップを埋めることが求められていた。
再度CGMを用いてDCCT規模のRCTを行うには、膨大な時間と費用がかかるが、試験を仮想化し、データサイエンス手法を使用して、GCMでのTIR評価がHbA1cと同等の予測力をもつことを示した。著者らは、この手法は「今日実行できる次善策である」、としている。