シスプラチン不適格な頭頸部がんでのデュルバルマブはアウトカム改善せず:NRG-HN004試験
Radiotherapy with cetuximab or durvalumab for locoregionally advanced head and neck cancer in patients with a contraindication to cisplatin (NRG-HN004): an open-label, multicentre, parallel-group, randomised, phase 2/3 trial
背景
局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)では化学放射線治療による生存率の向上が示されているが、シスプラチンが不適格な患者に対しては放射線治療単独が標準であり、併用治療のベネフィットは不明であった。
アメリカUniversity of California San DiegoのMellらは、北米の大学病院・コミュニティ病院89施設で、III-IVB期HNSCC、またはI-III期のunfavourable中咽頭がん・原発不明がんでシスプラチン不適格な患者を、放射線治療の2週前からデュルバルマブ(4週ごと・7サイクル)を投与するグループ、または1週前からセツキシマブ(毎週・8サイクル)を投与するグループへと2:1で割り付け、無増悪生存率を比較する第2/3相RCT、NRG-HN004試験を実施した。
結論
第2相パートで190名が登録された。第二回中間解析の結果、無益性のため第2相は終了し、第3相も実施されなかった。
事後解析における2年無増悪生存率は、デュルバルマブ群50.6%、セツキシマブ群63.7%であった(ハザード比 1.33)。有害事象は両群同等であり、デュルバルマブ群の4名、セツキシマブ群の1名が治療に関連した有害事象で死亡した。
評価
免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブ群では、セツキシマブよりもPFSが悪化する傾向がみられた。
対して放射線治療とセツキシマブは、シスプラチン不耐患者におけるオルタナティブとなりうる。