脳梗塞の血栓溶解療法でプロウロキナーゼはアルテプラーゼに劣らず:中国PROST-2試験
Safety and efficacy of intravenous recombinant human prourokinase for acute ischaemic stroke within 4・5 h after stroke onset (PROST-2): a phase 3, open-label, non-inferiority, randomised controlled trial
背景
プロウロキナーゼは血栓溶解薬として利用されるウロキナーゼの前駆体であり、前世紀のPROACT II試験などで脳梗塞急性期での動脈内投与の有効性を認められている(https://doi.org/10.1001/jama.282.21.2003)。
中国Beijing Tiantan HospitalのLiらは、同国61施設の、血管内血栓回収療法の適応がない発症4.5時間以内の急性虚血性脳卒中患者を、組み換えヒトプロウロキナーゼまたはアルテプラーゼの静注へと割り付け、機能的良好アウトカム(90日後の修正ランキンスケールが0または1)に関するプロウロキナーゼの非劣性を検証する第3相非劣性RCT、PROST-2を実施した(n=1,552)。
結論
90日後にmRSスコアが0または1であった患者の割合は、プロウロキナーゼ群で72.0%、アルテプラーゼ群で68.7%と、プロウロキナーゼの非劣性が認められた(リスク比 1.04)。
36時間以内の症候性頭蓋内出血はプロウロキナーゼ群で少なく(0.3% vs. 1.3%)、7日以内の大出血も同様であった(0.5% vs. 2.1%)。7日以内の全原因死亡に有意差はなかった(0.6% vs. 1.7%)。
評価
プロウロキナーゼは安全で、機能的アウトカムについてアルテプラーゼに劣らなかった。
一部の国ではアルテプラーゼよりも安価であり、代替選択肢として重要になるかもしれない。