Lp(a)経口低下薬muvalaplin第3相へ:KRAKEN
Oral Muvalaplin for Lowering of Lipoprotein(a): A Randomized Clinical Trial
背景
Muvalaplinは、アポリポタンパク(a)(apo[a])とアポB100の結合によるLp(a)の生成を阻害する経口低分子Lp(a)形成阻害薬である。
オーストラリアMonash UniversityのNichollsら(KRAKEN)は、2022〜2023年に世界43施設において、Lp(a)値が175 nmol/L以上で、動脈硬化性心血管疾患・2型糖尿病(T2D)・家族性高コレステロール血症を有する参加者233名を対象として、その効果・安全性を検証する第2相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、Intact Lp(a)測定によるベースラインから12週までのLp(a)値の変化であった。
結論
Muvalapliの一次アウトカム効果を認めた[10 mg/日・60 mg/日・240 mg/日用量でLp(a)値が各47.6%・81.7%・85.8%減少した]。二次アウトカムであるアポBの用量依存的な減少は、8.9%・13.1%・16.1%で、hsCRPの変化はなかった。いずれの用量でも安全性/忍容性に関する懸念はなかった。
評価
Eli Lilly創薬で、他の競合がすべて注射薬である中で、最初の経口薬である。十分な効果と忍容性を示して第3相に向かうことになった。なお、この分野ではzerlasiran(Silence)他、siRNA薬が並進しており、Lilly自身もsiRNA薬leposiranの臨床試験ACCLAIM-Lp(a)の参加者を募集中である。