多枝病変STEMI患者へのPCIはCOMPLETEに
Complete Revascularization with Multivessel PCI for Myocardial Infarction
背景
多枝病変のST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に対するPCIにおける、責任病変のみ(culprit-only)戦略と全枝(complete)戦略の優劣は確定される必要がある。カナダMcMaster UniversityのMehtaら(COMPLETE)は、4,041名の患者を対象とするRCTを行った。一次アウトカムは、全心血管因死亡または心筋梗塞である。
結論
フォローアップ期間中央値3年間で、complete戦略の一次アウトカム優越性を認めた(HR:0.74)。TVR等二次アウトカムでも同様であった。また、処置のタイミングはアウトカムに影響しないとみられた。
評価
ガイドラインはすでにこの方向を支持しており、趨勢を確定づける大規模ランドマーク試験となった。NEJM Editorialは、FFRはもはや意思決定基準とみられるべきではないが、未だ重要な指標である、と強調している。