ARNIの作用機序:大動脈壁硬度低減にACEIとの差なし
Effect of Sacubitril-Valsartan vs Enalapril on Aortic Stiffness in Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction: A Randomized Clinical Trial
背景
JAMAは、駆出率低下心不全(HFrEF)へのサクビトリル-バルサルタン(ARNI)療法の効果メカニズムを検討した2論文を併載している。Brigham and Women’s HospitalのDesaiらのEVALUATE-HFは、464名を対象としてエナラプリルと大動脈の壁硬度(stiffness)への効果を比較したRCTであり、一次アウトカムは、ベースライン12週後での大動脈特異的インピーダンス(Zc)の変化である。
結論
両薬とも大動脈壁硬度への効果は微少で、意差はなかった。二次エンドポイントでは幾つかの指標に差がみられた。有害事象に群間差はなかった。
評価
こちらは無効結果だが、PROVE-HFの方は、同薬が同薬が堅固な心筋構造・機能改善効果をもつとしていた(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2749476)。作用機序は一応は明らかになったとすべきであろう。また、この論文では有害事象がACEIと差がない、としている。