活動性片頭痛とCVD低リスクとの関連を確認
Cardiovascular Risk Scores and Migraine Status
背景
片頭痛はCVDと正の関連があるとみなされていたが、2022国際コホート研究は、特に女性で活動性片頭痛がCVD低リスクと関連することを示唆して注目を集めた(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35985832/)。
オランダ Erasmus MC UniversityのMaassenVanDenBrinkらは、同国140,915名の男性・女性参加者を対象に、CVDリスクの評価指標SCORE2を用いて、CVDリスクと片頭痛との関連を解析する人口ベースコホート研究を行った。
一次アウトカムは、CVDリスクのスコアと片頭痛発作の状態との関連パターンであった。
結論
参加者の18.4%が慢性片頭痛を報告し、1.9%が追跡期間中に片頭痛を新規発症した。
慢性片頭痛と新規発症片頭痛のオッズは、スコアが1.0%未満の参加者と比較すると、スコア上昇につれて低下した(片頭痛有病のオッズ比(OR) 1.0〜2.5%未満0.93、2.5〜10.0%未満0.43、10.0%以上0.63, 新規発症 1.0〜2.5%未満0.63、10.0%以上0.17)。同様のパターンが男女ともに観察されたが、女性でより関連が強かった。
片頭痛のない患者と比較して、スコア上昇により新規片頭痛のORが低下した。スコアと片頭痛発作の状態との関連は、年齢によって影響する可能性は低かった。
評価
国際研究が米国女性(Women's Health Study)で検出した興味深い関連を、ヨーロッパの人口集団で性別と無関係に確認し、さらにこの関連が女性で強いものの、年齢とは無関係であることも示した。心血管健康と片頭痛のこのような関連には何らかの機作があることが考えられ、非欧米人での確認とともに、重要な研究課題を生成した。