妊娠糖尿病には「インスリンが王位を保つ」:SUGAR-DIP
Oral Glucose-Lowering Agents vs Insulin for Gestational Diabetes: A Randomized Clinical Trial
背景
妊娠糖尿病(GDM)患者におけるメトホルミンとスルホニル尿素(SU)薬グリブリドによる血糖降下は、周産期アウトカムに関してインスリン治療に非劣性か。
オランダUniversity of AmsterdamのRademakerら(SUGAR-DIP)は、国内25施設において、2週間の食事療法後に血糖コントロールを達成できなかった妊娠16〜34週のGDM患者820名を経口血糖降下薬またはインスリンに割り付ける非劣性RCTを行った。
一次アウトカムは、LGA児の割合の群間差であった。
結論
経口血糖降下薬のインスリンに対する非劣性は確認できなかった[経口血糖降下薬群ではLGA児は23.9% vs. インスリン群では19.9%)]。母体の低血糖は、経口血糖降下薬群の20.9%、インスリン群の10.9%で報告された。
評価
幾度か試みられてきた当然の方策だが、2008年のMiG: TOFUでは、経口薬群の46.3%が最終的にインスリンを必要とした(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18463376/)。このSUGAR-DIPでの転換率21%は大幅に低いが、それでもなお、経口薬のインスリンに対する非劣性は証明できなかった。JAMA Editorialは、Insulin reigns supreme「インスリンが王位を保つ」としている。