CABGの効果は心筋バイアビリティと関連しない?:STICH結果は10年後も変わらず
Myocardial Viability and Long-Term Outcomes in Ischemic Cardiomyopathy

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
August 2019
381
開始ページ
739

背景

STICHはCABGの効果を検証した古典的試験で、5年結果はCABGによる生存率増と心筋バイアビリティは関連しないと示唆した。同試験のPanzaら(Westchester Medical Center)は、観察期間中央値10.4年の追加報告を行っている。

結論

CABG+薬物治療で全死亡リスク低下がみられたが(aHR:0.73)、心筋バイアビリティとCABGの利益との間に相互作用はみられなかった。LVEF増は、治療の種類によらず心筋バイアビリティを有する患者のみでみられた。しかし、LVEF変化と続発死亡に関連はみられなかった。

評価

常識的見解に反する結果で、5年報告でも問題になったが、長期観察でも同じ反直感的結果を確認した。「CABGの効果は収縮能改善のみに依存するのではない」という重要な結論だが、内実は未だ明らかではない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)