急性心筋梗塞後のコルヒチンは無益?:CLEAR試験
Colchicine in Acute Myocardial Infarction

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2024
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開始ページ
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背景

コルヒチンは、心筋梗塞(AMI)高リスク患者のリスク軽減目的での使用がガイドライン化されている。
カナダHamilton General HospitaのJollyら(CLEAR SYNERGY)は、14ヵ国104施設におけるAMI患者7,062名をコルヒチンまたはプラセボ、スピロノラクトンまたはプラセボのいずれかを投与する群に割り付ける2×2デザインの多施設共同RCTを行った。
一次アウトカムは、心血管疾患因死亡・AMI再発・脳卒中・緊急血行再建術の複合で、患者サブグループの3ヵ月後のCRP値も評価された。

結論

中央値3年の追跡で、一次アウトカムの発生率に群間差はなかった。3ヵ月後のCRP値の差は、−1.28mg/Lであった。下痢はコルヒチン群がプラセボ群より多かった(10.2% vs. 6.6%)。重篤感染症の発生に群間差はなかった。

評価

この問題には2024のメタアナリシスがあり、そこでは、コルヒチンによる冠動脈疾患患者の虚血性脳卒中・MACEリスクの低減が認められている(https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(24)00414-0/fulltext)。また、最近のCOLCOT・LODOCO 2も有益結果を出しており、CLEAR SYNERGYは、明らかoutlierである。差異の原因は不明だが、この試験でもCRPレベルの低下はみられており、無益とは言い切れない。ガイドラインは、当面は維持されることになる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)