筋層浸潤性尿路上皮がんでの術後ペムブロリズマブはDFSを改善:AMBASSADOR試験
Adjuvant Pembrolizumab versus Observation in Muscle-Invasive Urothelial Carcinoma
背景
高リスクな筋層浸潤性尿路上皮がんでは術前補助化学療法と膀胱全摘除が標準治療となるが、近年、免疫チェックポイント阻害薬を用いた術後補助療法が検討されている。
アメリカNational Cancer InstituteのApoloらは、根治的切除後の高リスクな筋層浸潤性尿路上皮がん患者に、1年間のペムブロリズマブまたは経過観察を割り付け、無病生存期間・全生存期間(いずれかで有意な延長が見られれば成功)を比較する第3相RCT、AMBASSADOR/KEYNOTE-123試験を実施した(n=702)。
結論
無病生存期間(中央値)は、ペムブロリズマブ群で29.6ヵ月、経過観察群で14.2ヵ月と、ペムブロリズマブによって有意に延長した(ハザード比 0.73)。追跡期間36.9ヵ月(中央値)時点で行われた第二回中間解析において、治療意図集団の3年生存率は、ペムブロリズマブ群で60.8%、経過観察群では61.9%であった。
グレード3以上の有害事象は、ペムブロリズマブ群の50.7%、経過観察群の31.6%で発生した。
評価
ペムブロリズマブは無病生存期間を延長したものの、全生存期間のベネフィットは認められなかった。
このセッティングでは、CheckMate 274試験の術後ニボルマブ(http://doi.org/10.1056/NEJMoa2034442)に続いて、NIAGARA試験の周術期デュルバルマブ(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2408154)が大きな成果を示しており、本試験の形式的成功にもかかわらず、ペムブロリズマブの役割は限定的かもしれない。