左心耳電気的隔離術後の管理:最大のコホート研究
Stroke Risk in Patients With Atrial Fibrillation Undergoing Electrical Isolation of the Left Atrial Appendage

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
August 2019
74
開始ページ
1019

背景

心房細動アブレーション治療に左心耳電気的隔離術(LAAEI)が行われるが、経口抗凝固薬(OAC)療法継続/停止と脳梗塞リスクの関連は。St. David's Medical CenterのNataleらは、1,854名のLAAEI術後患者を対象としてこの問題を検討した。

結論

LAAEI後患者の18%がLAA機能正常で、すべてがOACを停止して脳梗塞イベントはなかった。LAA異常機能がみられた残り82%では、OAC停止群は継続群と比べ脳梗塞・TIAイベント発生率が著しく高かった(16.7% vs. 1.7%)。脳梗塞発症者90名中84名に左心耳閉鎖術(LAAO)が施行され、その81名はOACを停止したが脳梗塞は発生しなかった。

評価

LAAEI患者コホートに関する最大の調査報告である。正常機能化が認められない場合にのみ脳梗塞リスクが増加するが、OAC・LAAOによってこのリスクは低減できる、とした。しかしLAAEI後はOACを止めるべきとのエビデンスとは見られず、アブレーション後もOACは必要とされる可能性は高い。OACの選択やLAAOとの有効性比較が課題となる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)