左心耳電気的隔離術後の管理:最大のコホート研究
Stroke Risk in Patients With Atrial Fibrillation Undergoing Electrical Isolation of the Left Atrial Appendage
背景
心房細動アブレーション治療に左心耳電気的隔離術(LAAEI)が行われるが、経口抗凝固薬(OAC)療法継続/停止と脳梗塞リスクの関連は。St. David's Medical CenterのNataleらは、1,854名のLAAEI術後患者を対象としてこの問題を検討した。
結論
LAAEI後患者の18%がLAA機能正常で、すべてがOACを停止して脳梗塞イベントはなかった。LAA異常機能がみられた残り82%では、OAC停止群は継続群と比べ脳梗塞・TIAイベント発生率が著しく高かった(16.7% vs. 1.7%)。脳梗塞発症者90名中84名に左心耳閉鎖術(LAAO)が施行され、その81名はOACを停止したが脳梗塞は発生しなかった。
評価
LAAEI患者コホートに関する最大の調査報告である。正常機能化が認められない場合にのみ脳梗塞リスクが増加するが、OAC・LAAOによってこのリスクは低減できる、とした。しかしLAAEI後はOACを止めるべきとのエビデンスとは見られず、アブレーション後もOACは必要とされる可能性は高い。OACの選択やLAAOとの有効性比較が課題となる。