低リスク非浸潤性乳管がんでの積極的監視は可能:COMET試験
Active Monitoring With or Without Endocrine Therapy for Low-Risk Ductal Carcinoma In Situ: The COMET Randomized Clinical Trial
背景
マンモグラフィ検診の普及に伴って非浸潤性乳管がん(DCIS)が増加している。DCISの治療は手術が基本となっているが、過剰治療の懸念は根強く、手術によらない管理の可能性が模索されている。
アメリカDuke UniversityのHwangらは、Alliance Cancer Cooperative Groupに参加する100施設で、ホルモン受容体陽性のグレード1/2のDCISと診断された40歳以上の女性(n=957)を、6ヵ月毎の画像診断・視触診による積極的モニタリング、またはガイドライン準拠治療(手術±放射線治療)へと割り付け、2年累積同側浸潤がんリスクについての非劣性RCT、COMET試験を実施した。
結論
積極的モニタリング群では82名、ガイドライン準拠治療群では264名が、DCISに対する手術を受けた。浸潤がんの診断を受けた患者は、積極的モニタリング群で19名、ガイドライン準拠治療群で27名であった。
2年累積の同側浸潤がん発症率は、積極的モニタリング群4.2%、ガイドライン準拠治療群5.9%であった。
評価
低リスクDCIS患者における手術なしの積極的モニタリング戦略は、浸潤がんの発症を増加させなかった。
本試験では10年までの追跡が予定されているほか、同テーマで、日本のLORETTA試験を含め、複数の試験が行われており、積極的モニタリングの妥当性について、より詳細なデータがもたらされるであろう。