普通の人の電話による共感的介入で、低所得糖尿病成人の血糖管理を改善
Glycemic Control With Layperson-Delivered Telephone Calls vs Usual Care for Patients With Diabetes: A Randomized Clinical Trial
背景
訓練を受けた非医療従事者の電話による共感的介入は、糖尿病(DM)患者の血糖管理を改善するか。
アメリカThe University of TexasのKahlonらは、血糖コントロール不良の低所得DM患者260名を対象に6ヵ月間のRCTを行い、電話による共感的介入の標準治療への追加の有効性を検証した(対照:標準治療のみ)。参加者は、自宅で傾聴と共感に重点を置いた定期的な電話相談を受けた。この電話相談は、思いやりのあるサポートを提供するための訓練を受けた地域住民によって行われ、参加者は糖尿病とともに生きる上での経験や課題を共有した。
結論
介入群では、HbA1c値が平均0.7%改善したが、対照群では0.02%の改善であった。ベースラインで軽度以上のうつ症状があった患者のサブグループでは、介入群のHbA1c値が1.1%改善し、対照群での改善は0.1%であった。
評価
著者らは、2020年のCOVIDパンデミック時に240名を対象としたRCTで、訓練をうけた非医療従事者による電話が、外出できない高齢者などの孤独・うつ・不安・精神的健康を改善しうる、と結論した(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37042110/)。この研究はDM患者を対象として、その結果を展開したもので、普通の人の電話による共感的介入が広汎な分野に応用できることを示唆した。著者らは、「労働力不足が医療提供の課題となっている現在、この研究は、非臨床スタッフの大きな臨床ポテンシャルを示した」としている。参加者は、テキサス州における低所得世帯に予防医療サービスを提供する連邦政府認定医療センター(FQHC)のLone Star Circle of Careの患者である。