ACS再発予防のためのスタチン+エゼチミブは「高リスク者ほど有効」
Biomarkers and Clinical Cardiovascular Outcomes With Ezetimibe in the IMPROVE-IT Trial
背景
急性冠症候群(ACS)患者の心血管イベント再発予防のための強化スタチン療法へのエゼチミブ上乗せ効果を検証したIMPROVE-ITは、様々な二次所見を生成している。同試験のMorrowら(Brigham and Women’s Hospital)は、併用療法の効果判定バイオマーカーを同定するための前指定二次解析を行った。検討された指標は、hs-TnT・NT-proBNP・GDF-15・hs-CRPである。
結論
検証全マーカーがMACE予測に有用であった。スタチン・エゼチミブ併用群では、バイオマーカーハイリスク患者において心血管因死亡・心筋梗塞・脳卒中のリスクが大幅に下がった(3つ以上バイオマーカー者で絶対リスク差−7.3%)。中等度リスク患者では差は明確でなく、低リスク患者では有意差がなかった。
評価
IMPROVE-IT原試験では、併用は有効であったものの絶対差が小さく、FDAはラベルチェンジを認めなかった。二次解析により有効部分集団を特定することに成功したもので、「高リスク者ほど効く」という結果はevolocumabのFOURIERでもみられた。