高悪性度のステージIII四肢軟部肉腫に周術期ペムブロリズマブを追加:SU2C-SARC032試験
Safety and efficacy of pembrolizumab, radiation therapy, and surgery versus radiation therapy and surgery for stage III soft tissue sarcoma of the extremity (SU2C-SARC032): an open-label, randomised clinical trial
背景
切除可能な四肢軟部肉腫は、手術と放射線治療によって高い局所制御を達成できるが、高悪性度のステージIII軟部肉腫は転移をきたすリスクが高い。
アメリカ UPMC Hillman Cancer Center-University of PittsburghのMoweryらは、4ヵ国20ヵ所で、四肢にグレード2・3のステージIII未分化多形肉腫または脱分化型/多形型脂肪肉腫を有する患者を、術前放射線治療+手術を行う対照群、または放射線治療の前に術前ペムブロリズマブ、手術の後にも術後ペムブロリズマブを追加する実験群のいずれかへと割り付け、無病生存期間を比較するRCTを実施した(n=143)。
結論
修正ITT解析(n=127)では、ペムブロリズマブを追加した実験群での無病生存期間延長が認められた(ハザード比 0.61)。2年無病生存率は、対照群の52%に対して、実験群では67%であった。
グレード3以上の有害事象は対照群の31%、実験群では56%で発生した。
評価
高リスクのステージIII軟部肉腫患者に対する術前・術後のペムブロリズマブ上乗せは、全生存期間についてはパワー不足のため有意差には至らなかったが、無病生存期間を有意に延長した。新たな治療選択肢を確立する結果である。