中年期高血圧は後年の脳構造劣化と関連する
Associations between blood pressure across adulthood and late-life brain structure and pathology in the neuroscience substudy of the 1946 British birth cohort (Insight 46): an epidemiological study
背景
高血圧症と後年の認知機能低下の関連が示唆されているが、脳構造変化との関連は。イギリスUniversity College LondonのSchottら(Insight 46)らは、同コホート502名を対象に血圧と頭部MRIによる白質高信号容量(WMHV)・アミロイドβ蓄積・全脳/海馬体積・認知機能(PACCスコア)の関連を検討した。
結論
43〜53歳の高血圧は、69〜71歳におけるWMHVと関連した。36〜43歳におけるDBPの増加は全脳体積の減少と関連し、SBPの増加は海馬体積の減少と関連した。中年期の高血圧とアミロイドβ蓄積・PACCスコアの関連はみられなかった。
評価
「高齢期の認知症発生に寄与するのは中年期の高血圧」という概念が提出されており(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2747672)、それを病理学的構造変化から基礎づける有力なデータとなった。高血圧とアミロイドβ蓄積との関連性にはさらなる検証が必要である。