MSI-H/dMMRの切除不能大腸がんでの初回ニボルマブ・イピリムマブ併用療法で2年無増悪率72%:CheckMate 8HW試験
Nivolumab plus Ipilimumab in Microsatellite-Instability-High Metastatic Colorectal Cancer
背景
マイクロサテライト不安定性が高い(MSI-H)、またはミスマッチ修復異常(dMMR)を有する大腸がんに対しては免疫チェックポイント阻害薬が有効とみられており、ニボルマブとイピリムマブの併用は非ランダム化試験(CheckMate-142)において臨床的ベネフィットを示している。
フランスSorbonne UniversiteのAndreらは、MSI-H/dMMRの切除不能・遠隔転移大腸がん患者を、ニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ単独、化学療法±標的治療へと2:2:1の割合で割り付け、無増悪生存期間を評価する第3相国際共同ランダム化試験(CheckMate 8HW)を実施した。
結論
初回治療としてニボルマブ+イピリムマブまたは化学療法を割り付けられた患者において、無増悪生存期間はニボルマブ+イピリムマブ群で有意に良好であった。24ヵ月無増悪生存率はニボルマブ+イピリムマブ群72%、化学療法群14%であった。また、24ヵ月時点での境界内平均生存時間(Restricted Mean Survival Time)は、ニボルマブ+イピリムマブ群で10.6ヵ月延長した。
グレード3・4の治療関連有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群の23%、化学療法群の48%に発現した。
評価
初回治療としてのニボルマブ・イピリムマブ併用が、MSI-H/dMMR切除不能大腸がんの進行を大きく抑制することを示した。この結果に基づき、国内でも適応拡大が申請されている。
単純な比較はできないが、2年PFS率はKEYNOTE-177試験のペムブロリズマブを上回っており、有力な治療選択肢となるだろう。