家族性高カイロミクロン血症にアンチセンス薬volanesorsen
Volanesorsen and Triglyceride Levels in Familial Chylomicronemia Syndrome

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
August 2019
381
開始ページ
531

背景

家族性高カイロミクロン血症(FCS)には現在有効な治療薬がない。University of California San DiegoのWitztumら(APPROACH)は、新規アンチセンス薬volanesorsen(肝のAPOC3 mRNAを標的化)の効果・安全性を検証する第3相試験を行った(対照:placebo、n=66)。一次エンドポイントは、空腹時TG値のベースラインから3ヶ月時点までの変化である。

結論

Volanesorsenの一次エンドポイント効果を認めた(84%低下 vs. 6.1%上昇)。3ヶ月時点での介入群におけるTG <750 mg/dL患者率は77%であった(対照:10%)。Volanesorsen群では注射部位反応が多く、血小板減少患者があった。

評価

アンチセンス薬の新しい展開によりFCSに対する初めての標的化薬となったばかりでなく、TG代謝におけるLPLの位置にも新しい視点を提示した。すでにEMAは承認しており、FDAも今年中に承認するものとみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)