AFアブレーション後はOACか左心耳閉鎖か:OPTION試験
Left Atrial Appendage Closure after Ablation for Atrial Fibrillation
背景
脳卒中高リスク患者において、心房細動(AF)アブレーション後に経口抗凝固薬(OAC)の投与が推奨されるが、左心耳閉鎖術(LAAC)を推奨する向きもある。
アメリカCleveland ClinicのWazniら(OPTION)は、CHA2DS2-VASc高スコア(男性で2以上、女性で3以上)で、カテーテルアブレーションを受けたAF患者1,600名をLAAC群とOAC群に割り付けるRCTを実施した。
一次安全性エンドポイント(優越性検証)は、処置に関連しない大出血または臨床的に関連する非大出血、一次有効性エンドポイント(非劣性検証)は、36ヵ月時点での全死因死亡・脳卒中・全身性塞栓症の複合である。
結論
LAACの一次安全性エンドポイント優位を認めた(LAAC8.5% vs. OAC18.1%)。また、一次有効性エンドポイント非劣性も認めた(5.3% vs. 5.8%)。デバイスまたは処置に関連する合併症が23名に発生した。
評価
Boston Scientific社のWATCHMAN FLXデバイスを使用した、同社ファンドによる試験である。LAACをOACと補完オプションにすることを正当化するが、特に、この試験では重症者が除外されており、代替オプションとすることは正当化されない。同デバイスは、幅広い患者を対象として、塞栓性脳卒中の防止効果をNOACと比較する大規模RCT(CHAMPION-AF)が行われている(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04394546)。