急性虚血性脳卒中患者に対する早期降圧介入は有益なのか
Immediate Antihypertensive Treatment for Patients With Acute Ischemic Stroke With or Without History of Hypertension: A Secondary Analysis of the CATIS Randomized Clinical Trial
背景
急性虚血性脳卒中患者に対する早期降圧介入の有益性には問題点が多い。中国Soochow UniversityのZhangらは、CATIS研究の前指定部分集団分析により、脳卒中発症前の高血圧既往の有無と発作後早期降圧介入の効果の関連を検討した。一次アウトカムは、14日後または退院時での死亡及び重症障害(modified Rankin Scale score≧3)の複合である(n=4,071)。
結論
一次アウトカムに高血圧既往による差異はなかった。しかし、二次アウトカム(3ヶ月以内の脳卒中再発および血管系イベント)では、早期降圧介入は高血圧既往患者に対しより有効であった(OR:0.44)。
評価
古典的なPROGRESS試験は、早期降圧介入は脳卒中・TIA既往者なら正常血圧患者でも有益であるとしていた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11589932)。この中国研究は、高血圧既往患者でだけ非急性期効果だけがあるとした。最終的コンセンサスには未だ時間がかかりそうである。