モルヒネ補助薬としての低用量ケタミン、救急の急性疼痛患者で痛みを軽減
Low-dose ketamine as an adjunct to morphine: A randomized controlled trial among patients with and without current opioid use
背景
救急を受診する急性疼痛患者では、疼痛治療としてすでにオピオイドを使用している場合があり、オピオイド鎮痛における課題となっている。
デンマークAarhus UniversityのGaliliらは、同大学救急部門で、担当救急医によってオピオイド静注が必要と判断された、NRS(0-10)で5以上の急性疼痛成人患者を対象に、モルヒネ補助薬としてケタミン(0.1 mg/kg)、または生理食塩水の投与を割り付け、疼痛軽減(10〜120分)への効果を検討する単施設ランダム化比較試験を実施した(n=116)。
結論
36%はオピオイドの現在服用者であった。
ベースライン時からランダム化後10分までに、低用量ケタミン群で4、プラセボ群では1(いずれも中央値)、疼痛強度が低下した。ケタミン群では20分後、30分後まで疼痛強度の有意な低下が認められた。
オピオイドのレスキュー投与は各群30名で行われた。ケタミン群では、最初の10分間、悪心・嘔吐・解離リスクが高まった。
評価
現在オピオイドを使用している患者を1/3含む試験集団で、補助的な低用量ケタミン追加は有意な疼痛軽減をもたらした。
登録の不調で試験が早期終了したため、サンプル数が十分とは言えず、さらなる研究が必要とされる。