AIが10秒間の洞調律ECGを見てAF患者を検知
An artificial intelligence-enabled ECG algorithm for the identification of patients with atrial fibrillation during sinus rhythm: a retrospective analysis of outcome prediction

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
August 2019
Online first
開始ページ
Online first

背景

一見正常と見えるEKGを10秒間見せただけで心房細動(AF)患者を検知できる、というAIプログラムが開発された。Mayo ClinicのFriedmanらによるもので、AF確定患者を含む180,922名の12誘導洞調律EKGをCNN学習させた。

結論

単回AI-ECGによるAFの検出は、AUC:0.87・感度79.0%・特異度79.5%・F1スコア39.2%・総精度79.4%であった。複数のAI-ECGを用いると、AF検出は、AUC:0.90・感度82.3%・特異度83.4%・ F1スコア45.4%・総精度83.3%となった。

評価

AF波形を画像診断するAIが開発されてきたなかで、洞調律12誘導EKGだけでAF患者を特定できるという画期的なプログラムである。ベースとなった集団にAF患者が多い等、著者らが認める問題点もあり、厳しく追試されてゆくことになろう。なぜAFが特定できたのか、というブラックボックス問題も残っている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)