皮下投与アミバンタマブは静注に非劣性でインフュージョンリアクションは低減:PALOMA-3試験
Subcutaneous Versus Intravenous Amivantamab, Both in Combination With Lazertinib, in Refractory Epidermal Growth Factor Receptor-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer: Primary Results From the Phase III PALOMA-3 Study
背景
アミバンタマブは、EGFR・METを標的とする二重特異性抗体であり、PAPILLON試験、MARIPOSA試験などで、EGFRエクソン20挿入変異を伴う進行した非小細胞肺がん(NSCLC)への有効性を認められている。ただ、アミバンタマブの静注時には注入に伴う反応(IRR, インフュージョンリアクション)が2/3の患者に発現する。
カナダPrincess Margaret Cancer CentreのLeighlらは、オシメルチニブとプラチナ化学療法後に進行したEGFR変異進行NSCLC患者(n=418)を、アミバンタマブの皮下投与または静脈内投与(いずれもlazertinib併用)へと1:1で割り付け、皮下投与の薬物動態学的非劣性と、有効性の評価を行う第3相国際共同ランダム化試験、PALOMA-3を実施した。
結論
皮下投与群と静脈内投与群のトラフ濃度の幾何平均比は、2サイクル目の1日目で1.15、4サイクル目の1日目で1.42であり、2サイクル目の1日目から15日目の曲線下面積の幾何平均比は1.03であった。また、客観的奏効率は皮下投与群で30%、静脈内投与群33%であり、いずれも非劣性基準を満たした。
全生存期間は皮下投与群で有意に延長した(ハザード比 0.62)。
IRR(13% vs. 66%)、静脈血栓塞栓症(9% vs. 14%)は皮下投与群で少なく、また初回の投与に要した時間は、皮下投与群で中央値4.8分、静脈内投与群では5時間と、皮下投与群で大幅に短縮した。
評価
アミバンタマブの皮下投与は薬物動態学的に有効であり、生存期間も静注に比べて延長した。
IRRの減少や利便性の向上も示されており、将来の選択肢となり得る。