PCIにおける新規インプラントDynamX Bioadaptor、DESへの非劣性を示す:INFINITY-SWEDEHEART
Bioadaptor implant versus contemporary drug-eluting stent in percutaneous coronary interventions in Sweden (INFINITY-SWEDEHEART): a single-blind, non-inferiority, registry-based, randomised controlled trial
背景
DynamX Bioadaptorは、既存DESと生体吸収性スキャフォールドとの中間的なシロリムス溶出性スキャフォールドで、ポリマーの生体吸収にともない、スキャフォールド自体が次第にロック解除され、血管機能の修復が促される。
スウェーデンLund UniversityのErlingeら(INFINITY-SWEDEHEART)は、同国内20施設において、慢性/急性冠症候群(ACS)患者2,399名を対象に、BioadaptorとDESを比較する非劣性RCTを行った。
一次エンドポイントは、12ヵ月時点での標的病変不全(TLF)(心血管死・標的血管関連MI・虚血起因TLR)である。
結論
Bioadaptorの一次エンドポイント非劣性を認めた(リスク差−0.41%)。TLFのKaplan-Meier推定量は、Bioadaptor群で0.3%であったのに対し、DES群では1.7%であった(HR 0.19)。標的血管不全(TVF)は0.8% vs. 2.5%であった(0.35)。ACS患者におけるTLFは0.3% vs. 1.8%であった(0.17)。
安全性アウトカム(デバイス関連血栓症)の発生率は低く、群間差はなかった。
評価
Elixir Medical社の開発で、冠動脈の血行動態調節を回復し、周期的脈動、血管運動、適応リモデリングを可能にする、という。すでにEUでCE承認を受けており、FDAも今年画期的デバイス承認している。有望な新デバイスであり、長期追跡によりDESに対する優越性が見出される可能性もある。