PCIにおける新規インプラントDynamX Bioadaptor、DESへの非劣性を示す:INFINITY-SWEDEHEART
Bioadaptor implant versus contemporary drug-eluting stent in percutaneous coronary interventions in Sweden (INFINITY-SWEDEHEART): a single-blind, non-inferiority, registry-based, randomised controlled trial

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2024
404
開始ページ
1750

背景

DynamX Bioadaptorは、既存DESと生体吸収性スキャフォールドとの中間的なシロリムス溶出性スキャフォールドで、ポリマーの生体吸収にともない、スキャフォールド自体が次第にロック解除され、血管機能の修復が促される。
スウェーデンLund UniversityのErlingeら(INFINITY-SWEDEHEART)は、同国内20施設において、慢性/急性冠症候群(ACS)患者2,399名を対象に、BioadaptorとDESを比較する非劣性RCTを行った。
一次エンドポイントは、12ヵ月時点での標的病変不全(TLF)(心血管死・標的血管関連MI・虚血起因TLR)である。

結論

Bioadaptorの一次エンドポイント非劣性を認めた(リスク差−0.41%)。TLFのKaplan-Meier推定量は、Bioadaptor群で0.3%であったのに対し、DES群では1.7%であった(HR 0.19)。標的血管不全(TVF)は0.8% vs. 2.5%であった(0.35)。ACS患者におけるTLFは0.3% vs. 1.8%であった(0.17)。
安全性アウトカム(デバイス関連血栓症)の発生率は低く、群間差はなかった。

評価

Elixir Medical社の開発で、冠動脈の血行動態調節を回復し、周期的脈動、血管運動、適応リモデリングを可能にする、という。すでにEUでCE承認を受けており、FDAも今年画期的デバイス承認している。有望な新デバイスであり、長期追跡によりDESに対する優越性が見出される可能性もある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)