高血圧治療は「前向き」に
Eligibility and subsequent burden of cardiovascular disease of four strategies for blood pressure-lowering treatment: a retrospective cohort study
背景
現在の高血圧管理は主に治療前血圧の正常化を目指すが、それでいいか。イギリスLondon School of Hygiene & Tropical MedicineのHerrettらは、同国プライマリケアのデータ(n=1,222,670、中央値4.3年)に基づき、4種の高血圧治療方針を比較した。比較基準は、治療対象となる患者割合と当該治療により予防可能な心血管イベント数である。
結論
各方針における心血管イベント発生率は、2011 NICE guidelineで15.2/1000人年、2019 NICE guidelineで14.9、治療前血圧のみで11.4 、QRISK2スコア10以上のみで16.9であった。英国民全体では、2011 NICE guidelineで233152例、19 NICE guidelineで270,233例、治療前血圧のみで301,523例、 QRISK2のみで322,921例のイベントを防げる。
評価
QRISK2は前方10年間の予測心血管リスク指標であり、「将来リスクに基づいて降圧戦略を立てるのが最良」ということになる。重要な結果である。