中低所得国における高血圧管理状況を初調査
The state of hypertension care in 44 low-income and middle-income countries: a cross-sectional study of nationally representative individual-level data from 1.1 million adults
背景
高血圧は中低所得国(LMICs)でもメジャーな健康問題になっている。Harvard T H Chan School of Public HealthのGeldsetzerらは、WHOのSTEPSデータに基づきLMIC 44ヶ国における高血圧ケアカスケードおよび各国のヘルスケアシステムの適応状況を分析した(n=11,100,507[成人])。
結論
全調査対象者の17.5%が高血圧で、その73.6%が血圧を測定したことがあり、39.2%が高血圧と診断されていた。全罹患者の29.9%が治療を受け、高血圧管理を達成したのは10.3%であった。中南米とカリブ海諸国は、1人当たりGDPに基づいて予測されたパフォーマンスと比較して良好なパフォーマンスであったが、サハラ以南アフリカの国々のパフォーマンスは最悪であった。バングラデシュ・ブラジル・コスタリカ・エクアドル・キルギスタン・ペルーは、ケアカスケードの全段階においてパフォーマンスが予測より有意に優れた。
評価
LMICでの高血圧管理のパフォーマンスに関する初の大規模調査である。今年に入りドイツからは、LMIC特に中国・メキシコでは、高齢化のため2050年までに高血圧要治療者が55%(中国)・151% (メキシコ)も増える、という予測が出ている(https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12337)。時間軸的にも問題は大きい。