高血圧治療高レベル国は、カナダ・ドイツ・韓国・アメリカ
Long-term and recent trends in hypertension awareness, treatment, and control in 12 high-income countries: an analysis of 123 nationally representative surveys
背景
高所得国における高血圧治療の最近のトレンドは。NCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC)は、12ヶ国(オーストラリア・カナダ・フィンランド・ドイツ・アイルランド・イタリア・日本・ニュージーランド・韓国・スペイン・イギリス・アメリカ)における1976~2017年の123の健康調査データ(n=526,336)を統合分析した。
結論
高血圧有病率は、カナダ・韓国・オーストラリア・アメリカで低く、フィンランドで最も高かった。1980~1990年代前半では、ほとんどの国で性差・年齢に関係なく治療率は約40%、コントロール率は25%以下であった。年代を経ることで全調査国で高血圧の認知・治療率・コントロール率が改善し、特に韓国・ドイツで大幅に改善した。しかし、このトレンドは2000年代初期にはプラトー化し、最近ではカナダ・ドイツ・韓国・アメリカで高血圧の認知・治療・コントロール率が最も高かった。一方、フィンランド・アイルランド・日本・スペインは最も低かった。最高水準国でも治療率は最大80%、コントロール率は70%以下であった。
評価
高所得国と低所得国を比較した研究があったが、このような高所得国間の詳細大規模調査は初めてである。著者らは、フィンランドでの治療率・コントロール率の低さにはガイドライン閾値が影響したのではないか、としている。