無症候性重度大動脈弁狭窄症に対する予防的TAVRを支持:EARLY TAVR
Transcatheter Aortic-Valve Replacement for Asymptomatic Severe Aortic Stenosis
背景
重度大動脈弁狭窄症(AS)で無症候のHFpEF患者には現在、定期的経過観察が推奨されているが、予防的経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、経過観察と比較してアウトカムを改善するか。
アメリカMorristown Medical CenterのGenereuxら(EARLY TAVR)は、75施設901名の患者(平均年齢75.8歳、平均STS-PROMスコア1.8%、手術低リスク83.6%)を対象に、これを検証するRCTを行った。一次エンドポイントは、死亡・脳卒中・心血管疾患因予定外院の複合である。
結論
中央値3.8年の追跡で、TAVRの一次エンドポイント効果を認めた(HR 0.50)。死亡は、TAVR群8.4%と対照群9.2%に、脳卒中はそれぞれ4.2%と6.7%、心血管疾患因予定外入院は20.9%と41.7%に発生した。期間中、対照群の87.0%が最終的にTAVRを受け、TAVR群とTAVRを受けた対照群の間には、処置関連有害事象に明らかな差異はなかった。
評価
Edwards Lifesciencesがファンドし、SAPIEN 3/SAPIEN 3 Ultraを使用した、重要テーマに関する初の大規模RCTである。死亡・脳卒中リスクに差はないが、心不全緊急入院リスクを半減させた、という報告である。経過観察群の95.2%が5年後にはTAVRを受けており、また早期介入自体には安全性問題がなかった。早期TAVR介入を基本的にサポートする結果である。